心身の状態を数値化し、認識することによって自らコントロールを促す治療法。通常は確認することが困難な筋肉や自律神経系の機能を機器により計測し、目や耳で確認できる情報に変換することによって、自分自身の心身の状態を把握し、より良い状態にコントロールする。例えば数値が通常より高い場合、数値を低くコントロールしようとして数値の変化を確認し、実際に自ら身体の状態をコントロールできる状態に近付ける。一般的なバイオフィードバック療法としては、筋肉の緊張度を測定する「筋電図」、発汗量を測定する「皮膚電気反応」、呼吸のリズムや肺活量を測定する「呼吸フィードバック」などがある。これらのフィードバックは、主に運動選手の心身の安定や精神集中、ケガのリハビリテーションなどに役立てられてきた。現在では、気管支ぜんそく、高血圧、不整脈、頭痛、てんかん、手足の冷え、過敏性腸症候群、円形脱毛症、自律神経失調状態といった種々の病態の治療や予防、脳血管障害後のリハビリテーションや失禁予防にも有用であり、高齢化社会における福祉面でも期待が寄せられている。