血の塊を溶かすt-PAという薬剤による、脳梗塞(こうそく)の緊急治療法。t-PAは「組織型プラスミノーゲンアクチベーター」と呼ばれるもので、日本では、2005年10月に使用が認可された。脳梗塞の発症から3時間以内にt-PAを適正に投与することにより、後遺症も最小限となり、3~4割がほぼ正常範囲まで回復するとの統計結果がある。ただし、発症後3時間以内であること、血管からの出血がないこと、多発性でないこと、といった条件がそろわないと、脳出血を併発させたり、症状を悪化させるなどのマイナス効果が出ることもある。したがって、迅速な搬送と診断と判断が問われる。最近は、各地域で脳梗塞受け入れ施設を集中化するなどの動きが見られるが、地域により本治療の実施率の差が開いているのも現状である。