男性に起こる更年期障害のこと。女性の更年期障害は、疾病概念としてほぼ確立されているが、最近になり、男性も年齢とともに男性ホルモンが減少し、そのため性機能や認知力の低下がみられたり、筋肉の量も質(力)も低下することが分かってきた。これらの症状に男性ホルモンが効果的である、という報告も散発的にあったが、2010年度厚生労働省の研究事業として、金沢大学並木幹夫教授を班長に大学病院5施設で総勢500人の被験者を対象に臨床研究をすることが決まった。主な研究は、男性ホルモン補充治療がどのような効果と副作用があるかを、1年間継続観察するものである。今後、こういった研究成果も踏まえて、男性更年期障害という概念が広がる可能性があるだろう。