不活動状態の連続によって、筋力低下、関節拘縮(こうしゅく)、代謝障害、心肺機能低下などが生じる二次障害群である。重度例では、誤嚥(ごえん)性肺炎や褥瘡(じょくそう 床ずれ)を生じたり、寝たきりになってしまうこともある。また精神面でも、心理的荒廃を招くとされる。具体的には、絶対安静を続けると筋力は1週間で10~15%減少するとされ、固定された関節は1週間で臨床的な拘縮を生じるとされる。入院時に安静臥床を強いられることなどで発症し、在宅復帰の妨げとなる。ただし予防が可能なので、急性期・回復期でのリハビリテーションの適切な実施が必要である。2011年3月に発生した東日本大震災では、避難先で体を動かさなくなった高齢者などが、罹患(りかん)するケースが問題化した。こうした高齢被災者に、日常生活を再構築させるにあたっては、リハビリテーションのかかわりが希求される。