冠動脈内に血栓が形成され、冠血流が急速に途絶すると急性心筋梗塞を発症する。急性心筋梗塞発症早期に上腕動脈や股動脈より経皮的にカテーテルを冠動脈内に挿入し、血栓による閉塞部位に血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA[組織プラスミノーゲンアクチベータ]など)を局所投与することにより冠動脈内血栓を溶解して、再疎通することを目的とした治療法をいう。1979年、レントロップらにより初めて臨床応用された。アメリカにおいては、PTCRの普及などにより、急性心筋梗塞の死亡率は50%以上も減少した。急性心筋梗塞症の血栓溶解療法として血栓溶解剤の経静脈的な全身投与も行われるが、PTCRの方が少量の薬剤投与量でしかも短時間で効果があり、また出血性の副作用が少ないとされる。再疎通が不十分な場合は経皮経管冠動脈形成術(PTCA)が追加されることがある。冠動脈閉塞から数時間以内に閉塞部位以遠の残存心筋組織が壊死に陥るため、急性心筋梗塞発症後、6時間以内に施行することが推奨されている。