明らかな症状は伴わないものの、脳MRI(→「MRI」)で描出される脳室周囲の白質で、主に観察される信号の変化。慢性的な血流低下を背景に出現することから、日本脳卒中学会のガイドラインでは、無症候性脳梗塞に分類されている。大脳白質病変は、加齢により誰にでも徐々に現れてくる変化であり、改善するような性質のものではないが、メタボリックシンドロームや血液中の総ホモシステインが高値な人では、より認められやすくなると言われている。高度な白質病変は脳卒中の最大の危険因子とされるため、著明に観察された症例では、治療可能な脳卒中危険因子(高血圧や喫煙など)に対する積極的な治療が重要になる。この他にも、大脳白質病変が著明なほど、うつ病や認知障害が増加するとの報告もある。