タンデム質量分析計により多数の人の検体を検査して、同時に22種類の病気を早期に発見する方法。日本では、障害発生の予防を目的に1977年から新生児マススクリーニングが始まり、ほぼ100%の出生児が出産施設でその検査を受けている。そして、放置すれば重度の知的障害が生じるクレチン症やフェニルケトン尿症など6種類の病気の子どもたちは、現在、新生児期に発見されて適切な治療により、ほぼ普通の生活を送っている。さらにタンデムマス・スクリーニングによれば、より安い費用で、乳幼児突然死症候群のような症状で始まる脂肪酸酸化異常症も発見でき、その早期発見と治療により突然死を防ぐことが期待される。現在、一部の地域で実施されているが、全国レベルで希望者に検査できる体制作りが望まれる。