2006年の人口動態統計によれば、妊産婦死亡率{(年間妊産婦死亡数÷年間出生数)×10万}は4.9、乳児死亡率{(年間乳児死亡数÷年間出生数)×1000}は2.6であった。従来先進国の中で比較的高かった妊産婦死亡率は世界最低レベルに達し、また乳児死亡率は世界最低値を更新し続けている。しかし、都道府県による格差は、前者が約5倍、後者が約2倍みられる。医学部卒業者の中で、大学によっては産科や小児科の志望者が激減し、また、一般病院での医師充足の困難な状況は常態化しつつあり、医師の労働条件が悪化している(→「産科医不足」)。現在の産科・小児科医療レベルを維持・向上させるためには、医療体制の構造改革が急務である。厚生労働省は、「小児科・産科をはじめ急性期の医療をチームで担う拠点病院づくり」事業を07年度に開始した。