海外出産は年々増加し、外国における日本人出生数は1995年の8873人から、2006年は1.5倍以上の1万4745人になった(厚生労働省「人口動態統計」)。その理由は国際結婚と海外滞在者の増加である。夫妻の一方が外国人である婚姻件数は、1995年の2万7727件(婚姻総数の3.5%)から2006年には4万4701件(同6.1%)になった(「人口動態統計」)。05年10月1日時点の海外在留邦人数は戦後初めて100万人を突破し、07年に108万5671人となった。また、1999年からは女性の数が男性を上回っており、2007年は女性が男性よりも約2万9000人多かった。この傾向はその後も続いている。(外務省「平成19年度海外在留邦人数調査統計速報」)。海外での出産は言葉の壁があり、情報量や頼れる人も限られる上に、妊婦健康診査や出産の方法を含めて医療システムに違いがある。日本のようにほぼ100%の新生児がマススクリーニングを受けられる国はまだ少なく、出生地で受けられないか、受けられても費用が高い。また、国によって予防接種のスケジュールが異なる。日本の母子健康手帳は、海外出産でも参考になるため活用したい。