母子保健について2010年までの国民運動計画として厚生省(当時)は2000年11月に「健やか親子21」をまとめた。その健やか親子21の「小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備」の一つとして、小児慢性疾患患者の在宅看護推進に関する課題について、日本看護協会が02年11月に検討報告した。現状では、社会保障の制度はあっても、子どもと子どもの生活を支える家族の多様なニーズを十分に満たしているとはいえない。また、必要なケアを提供するためのコーディネート機能や相談機能など、ニーズに即応するための看護職の知識・技術の向上や、その力が十分発揮できるような体制が整備されていない。訪問看護を実施する機関と他機関との連携、社会資源の活用、看護職のマンパワーの充足、子どもに対応できる人材の確保、医療機関から家庭や地域に移るときに必要な情報の確保など、小児の在宅ケアにかかわる多くの看護職が実践的に活動できる基盤を早急に整備すべきである。