産科医療補償制度は、(1)通常の妊娠・分娩にもかかわらず、分娩に関連して重度脳性まひとなった赤ちゃんが速やかに補償を受けられ、(2)重度脳性まひの発症原因が分析され、再発防止に役立てられることによって、産科医療の質の向上が図られ、安心して赤ちゃんを産める環境が整備されることを目指す制度。この制度は、分娩を取り扱う病院、診療所や助産所(分娩機関)が加入する。制度に加入している分娩機関において「出生体重2000グラム以上かつ妊娠33週以上」、または「妊娠28週以上で所定の要件に該当した場合」に出生した赤ちゃんが、身体障害者1級または2級相当の重度脳性まひとなった場合に補償対象となる(先天性要因等は補償の対象外)。対象の赤ちゃんには看護・介護のため、一時金600万円と分割金が20年にわたり総額2400万円、計3000万円が支払われる。この制度では、お産1件ごとに分娩機関が3万円の掛金を負担するので、この制度の開始に伴い、掛金相当分の分娩費の上昇が見込まれることから、健康保険から給付される出産育児一時金も、2009年から3万円引き上げられる。