男性側に何らかの原因があって起こる不妊症。約10%の不妊カップル中の半数近くを占める。近年、生活環境の影響で、成人男性の精子数は減少傾向にあり、そのことも不妊につながる。内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)、プラスチック容器など環境中の化学物質の関与が疑われている。男性不妊症の原因は4種類に分けられ、(1)精巣で精子をうまく作れない造精機能障害、(2)性交時に勃起しない性交障害、(3)クラミジア感染などによる副性器障害、(4)精子の輸送路に問題のある精管通過障害がある。食生活に気をつけるなど、一般的な健康生活上の注意を守っても改善しなければ、泌尿器科医、または男性不妊外来を開いている病院で治療を受ける。原因として最も多い造精機能障害の治療としては、ホルモン療法(薬物治療)などで精子濃度の増加をはかったり、場合によっては顕微授精を行う。一般的に夫婦関係への心やすらぐ環境作りやストレスを解消する工夫も大切である。