胎児期または出生直後に、肝外胆管が硬化性炎症によって閉塞、破壊あるいは消失するため、肝臓から胆汁を十二指腸に排泄できない病気。新生児・乳児期に、黄疸、淡黄色便、濃黄色尿を症状として発症する。出生約1万人に1人の頻度で発生するが、生後2カ月までに手術できなかった場合は、またいずれ年齢とともに、肝臓が硬く腫れて肝硬変になって肝不全になる。この場合は、肝臓移植が唯一の治療となる。小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患であり、医療費助成が行われる。2010年現在、一部の自治体では、早期発見のため注意すべき便の色を詳しく示したカード(便色調カラーカード)を配布している。栃木県では、1994~2003年に15人の患者が発生したが、うち12人は生後1カ月までに便色調カラーカードで異常が見つかり、11人が生後2カ月までに手術できた。全国的に見ると、生後2カ月までに手術できるのは4割程度である。具体的な便と見くらべられるカードを、母子健康手帳に挿入・掲載するなど、全国的な普及が望まれる。