出産直後における、母親と新生児の接触。出産後1~2時間は、母児ともに比較的覚醒状態であり、その間に新生児を母親のお腹にのせたりして、乳頭を吸わせている医療機関は多く、これらはカンガルーケア(kangaroo care)とも呼ばれる。新生児は、視覚(注視や追視)、聴覚(驚がく反射や定位反応)、嗅覚、味覚などが、ある程度発達しており、動作の模倣、音や光などの刺激を与え続けると次第に反応しなくなる慣れの現象、新生児に語りかけた時に体動が語りかけと同期するエントレインメントなども、扱い慣れた人が条件を設定して検査すれば新生児でもできる。これらの事実などから、出生後なるべく早期からの母子接触の重要性、新生児期から一人の人間として接することの大切さがわかってきた。ただ、これらの能力は、成長後の子どもの能力とはほとんど無関係である。出産後、母子別室より母子同室を取り入れている医療機関は多いが、母と子が同じ布団で過ごす助産所(母子同床)では、出産の満足度がより高い。