大震災後の子どもは、家族を亡くすなどの大きな被害を受けた場合、ストレスや悲しみが発育に鋭敏に反映され、特に体重は不規則に増減し、変動幅も大きい。また、乳幼児では体重のみでなく、身長にも影響が現れ、順調に伸びていた身長が急に止まることもある。阪神・淡路大震災で被害を受けた子どもでは、震災の影響はすぐには現れなくとも、やがて現れ、長期間続いていた。震災後の子どものケアは、心のみでなく、身体と心の両面から見守る必要がある。発育状況が気になる子どもの場合、身体的要因のほか、離婚や家庭不和などの成育環境要因、次子出産、落ち着きがない、情緒不安定、自傷行為、友達とのトラブル、陰湿ないじめなど、精神的要因にも注意しなければならない。平均と比較して発育状況をみたりして経過を追う場合、乳幼児では2010年「乳幼児身体発育調査」、小・中・高等学校生では11年度「学校保健統計調査」などの結果に基づく基準値と比較するとよい。