骨の成長時期である小児期に、活性ビタミンDが欠乏して起こる骨障害。生後6カ月~2歳頃の乳幼児に発症することがある。足などの骨が変形して曲がり、進行すると起立時に両ひざの間が3センチ以上開くO脚やX脚となって、歩行に困難をきたす。あるいは大泉門と呼ばれる、ひたい上部の骨の継ぎ目に開離が見られることもある。活性ビタミンDは、皮膚が受ける紫外線の働きにより体内で作られる。またキノコ、魚、卵黄、バターなどを摂取することでも補充される。母乳の中にカルシウムは多いが、ビタミンDの量は少ない。完全母乳栄養に加え、食物アレルギーによる偏った離乳食や、太陽にあたらない室内遊びなども要因となり、栄養に不自由しない先進国においても見られる病気である。下痢、胆道閉鎖症、乳児肝炎などによる、栄養の吸収障害で発症する例もある。育児環境の改善や、ビタミンD錠剤の服用で治療ができる。