1995 年に日本人の小山裕史が創案した、初動負荷理論(B.M.L.theory)に基づくトレーニングのこと。シアトル・マリナーズのイチロー選手や、女子テニスプレーヤーの杉山愛選手が実践していることで有名である。反射が起こるポジションへの身体の変化、およびそれにともなう重心位置の変化などを利用し、主働筋の「弛緩-伸張-短縮」という一連の動作を促進させるとともに、その拮抗筋ならびに拮抗筋に作用する筋の共縮を防ぎながら行うマシントレーニングである。スポーツに限らず、人間の動作のもとになるのは関節であり、それを動かす筋肉は神経によって支配されている。そのため、初動負荷トレーニングの狙いは、筋肉と神経の機能や連携を改善し、筋肉がもつバネを最大限に生かす点にある。神経と筋機能の促進、血流や代謝の促進、老廃物の除去、身体のゆがみの矯正、関節や筋肉へのストレスの除去といった効果が期待される。