打撲、ねんざ、筋肉痛などで熱をもった部分を、物理的に冷やすことで、より早く正常な状態に回復させる療法のこと。アイシング(icing)、クーリング(cooling)とも呼ばれる。冷蔵庫が登場した1950年以降に開発されたもので、それ以前は、湿布や馬肉で冷やすしかなかった。応急処置の一つにICE処置と呼ばれるものがあるが、この処置の後に行う治療がクライオセラピーで、主に急性症状や疲労性のスポーツ傷害を対象とする。クライオパックと呼ばれる、医療用に開発された冷却パックは、冷凍庫で5時間以上の冷却が必要である。家庭用品では、氷のう、アイスパック(保冷材)、コールドスプレーなどがあるが、アイスパックは冷え過ぎて患部が凍傷を起こす可能性があるので、タオルなどで包んで使うといい。そのほか、冷やせるものなら何でもよいが、軟らかい材質のほうが皮膚に密着しやすく安全性も高い。