反動をまったく利用しない、ゆっくりとした動作で筋肉に負荷をかけるトレーニング方法で、略してスロトレとも呼ばれる。すばやい動作で行う筋肉トレーニングだと、全身の反動を使うことが多いため、瞬発力を引き出すのに必要な速筋は鍛えられるが、持久力を引き出すのに必要な遅筋は十分に鍛錬できない。スロートレーニングではこうした遅筋の強化のほか、鍛錬したい筋肉に負荷を集中させることで、運動効果を確実にできるだけでなく、すべての筋肉を鍛えることができるという特徴がある。スポーツ科学的には、最初に遅筋、次いで中間筋、最後に速筋のパワーを引き出すことが、スロートレーニングの目標といえる。遅筋の鍛錬は基礎代謝率を上げ、体脂肪を燃焼させる効果もある。1回あたりの動作は時間がかかるが、すばやい動作で行う筋肉トレーニングのように回数をこなす必要がないため、結果的には短時間のトレーニングですむ。