激しい運動を、長時間連続することで起こる軽い貧血。血液中の赤血球数やヘモグロビン濃度が低下した状態となり、トレーニングを中止すると貧血はすみやかに回復へ向かう。一般に、血液100ミリリットルあたりのヘモグロビン量が男性13.8グラム未満、女性12グラム未満がスポーツ貧血の目安となっている。新体操や陸上長距離などの選手に多く、たとえば毎日長時間の練習を、1週間以上続けた場合などに発症する。普段から運動をしていなかったり、たんぱく質の摂取量が少ない人ほど発症しやすく、女性は男性に比べて3倍の高頻度で発症する、という報告もある。原因の多くは鉄欠乏性貧血で、とりわけトレーニングで筋量を増やしたスポーツ選手は、筋肉での鉄分消費量が増えて血液中が鉄不足状態になる。また激しい運動により、足底の血管内で赤血球が大量に壊れてしまう溶血性貧血が原因となる場合もある。予防法は、激しい運動を長時間行わないこと、たんぱく質や鉄分を十分に摂取することである。