生薬には、寒性・熱性・温性・涼性などの四気(四性)と呼ばれる性質がある。服用後、寒涼感を覚え、熱を冷ます作用をもつ生薬は、寒性・涼性であり、一方、温熱感を覚え、温める作用がある生薬は、温性・熱性と分類される。寒と涼、熱と温は程度の違いを表す。寒薬には石膏(せっこう)、黄連(おうれん)など、涼薬には連翹(れんぎょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)など、熱薬には附子(ぶし)、乾姜(かんきょう)など、温薬には川キュウ(せんきゅう)、当帰(とうき)などが含まれる。また、生薬の味覚も重視されており、酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かんみ ; 塩辛い)などの五味に分けられる。このような性質および味覚は、各生薬の効能と関連すると考えられている。