月経は通常25~38日周期で訪れるが、その周期が早くなったり遅くなったり、不定期な場合を月経不順や月経不整という。月経は気血水(きけつすい)のうち、とくに血(けつ ; 血液)に関与すると捉えるため、月経不順でも血の働きをよくする漢方薬などが用いられる。たとえば月経痛もともない、月経時に血塊などが見られる場合には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、さらに便秘がある時には、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などが用いられる。また貧血気味で、めまい、冷えなどをともなう場合には、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などが使用される。ストレスなどで気(き ; 生命活動を営むエネルギー)の働きが悪いと、血の働きにも影響を与えるため、ストレスをともなう月経不順では、気のめぐりをよくする漢方薬なども用いられる。半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)は、その代表的な処方であり、加味逍遙散(かみしょうようさん)は気と血のめぐりをともに改善させる。