インターネットの爆発的な広がりによって、インターネット上のコンピューターを識別するために用いられるIPアドレス(32bit)が不足してきた。また現在のIP(バージョン4)は、設計が古いため高速ネットワークの利用、リアルタイム通信機能、マルチキャスト通信、セキュリティー、モバイルコンピューターに対する支援など現在では必要とされる機能が不十分である。そこで、これらの問題を解決するために、IPが新たに設計され、現在移行作業が進んでいる。これが、IPバージョン6である。IPバージョン6では、IPアドレスを128bitとするとともに、セキュリティーや高速ネットワークへの対応など、前述の問題を解決するためのさまざまな機能強化がなされている。また、将来拡張が容易なように、機能追加をオプションという形式で行えるようにしている。すでに、Windows7やMac OS Xなどのパソコンのオペレーティングシステム、ルーターなどのインターネットで用いられる各機器、さまざまなスマートフォンなどでのIPv6への対応は完了している。また、バックボーンネットワーク等での対応も進んでおり、現在はセキュリティー技術や運用技術の確立が進められている。さらに、家電や携帯電話、ゲーム機、自動車など、従来はインターネットに接続されていなかった分野では、IPv6を前提に機器やサービスの開発が行われている。IPv4アドレス枯渇に伴い、急速にIPv6への対応が進んでおり、スマートフォンのアプリなどにおいてもIPv6への対応が必須となってきている。(→IPv4アドレス枯渇問題)(RFC2460。RFCは「インターネットに関する技術文書」)