インターネットプロトコルでは、IPアドレスに従ってデータを配送する仕組みを用いている。したがって、IPアドレスがノードが接続されている場所を示しており、そのままでは移動するノードに対してデータを配送することができない。そこで、割り当てられたIPアドレスと移動先での仮のIPアドレスを対応付け、本来のIPアドレスの示す場所に、配送されたデータを移動先に転送する仕組みが用意されている。これがMobile IPと呼ばれる技術である。IPv4用のMobile IPv4(RFC3344)とIPv6用のMobile IPv6(RFC3775)がある。移動する先々で仮のIPアドレスを必要とするため、実用の観点からはIPアドレスの数に余裕のあるIPv6で初めて有効となる技術といえる。また、Mobile IPv6を基本とし移動先のアドレスとして一時的にIPv4アドレスを用いることでIPv4/IPv6の両方に対応したMobile IPも開発されている(RFC5555)。(RFCは「インターネットに関する技術文書」)