無線技術の問題点は、電波の状況が刻々と変化し通信状況が不安定であることである。一方で、モバイルコミュニケーションを支える無線技術は複数存在し、携帯電話、無線LAN、WiMAXなど多数の通信基盤が普及してきている。これらの通信基盤を統合的に活用し、端末での電波状況、アプリケーションの要求などに応じて、動的に通信技術を選択し、最適な無線通信環境に適応する技術が模索されている。これがコグニティブ（cognitive）無線である。ここでは、単純に通信技術を切り替えるというバーチカルハンドオーバーだけでなく、例えば、放送で用いられている周波数帯域を、放送が停波している時間帯に無線LAN技術で活用するといったことも含まれる。