急速に普及しているIoT(Internet of Things モノのインターネット)機器をターゲットにしたマルウエア(コンピューターウイルス)。2016年9月、プリンターやWebカメラ等のIoT機器を踏み台として、「Mirai(ミライ)」と名付けられたウイルスが1Tbps(テラビット/秒)以上というかつてない規模のDDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)を行ったことで注目を浴びた。この攻撃では、IoT機器を設置・設定する際に必要な管理者IDとそれに対応する初期設定のパスワード(本来ならば変更すべきもの)をそのまま使用している多数の機器が、踏み台の標的となった。17年1月31日に情報処理推進機構(IPA)が公開した「情報セキュリティ10大脅威 2017」にもIoT機器の“不適切管理”や“脆弱性の顕在化”がランクインしていることからも、その脅威やリスクには大きな関心が寄せられていることがわかる。なお、「Mirai」はソースコードが公開されており、不適切な管理下にあるIoT機器は脅威に晒され続けている。