囲碁を打つプログラムあるいはその研究。囲碁は可能な手の数すなわち分岐数が非常に大きい。初手は19×19+1(パス)=362通りの手が存在し、初手以外の手は平均でも250に達する。ゲーム木の節点の総数は10の360乗にも達する。プレーされているゲームの中で最も場合の数が大きいのが囲碁である。囲碁はアジアを中心に世界中に普及しているため、コンピューター囲碁の研究開発も世界中で盛んに行われている。長い間コンピューター囲碁の実力はアマチュアの3~5級のレベルにとどまっていたが、最近モンテカルロ法による強力な手法が開発されて一気に強くなり4、5段程度まで進歩した。16年にはグーグル(Google)社のアルファ碁(AlphaGo)が登場してトッププロにハンディなしで勝つまでになった。その後、17年にはアルファ碁の進化系としてアルファ碁ゼロが出現し、囲碁のルールのみから学習することでトッププロ棋士より強くなることが示された。