コネクション・マシンなどの超並列コンピューター上でプログラムを書くことを前提とした推論方式。記憶に基づく推論では、(1)実例をデータベースに表形式で登録する、(2)入力と出力の間に類似度を定義する、(3)入力と最もよく似た実例を模倣して出力を得る、という過程で推論を行う。一言でいえば丸暗記型の推論である。1980年代後半から研究が始められ、応用例としては英単語のつづりからの発音推定や機械翻訳などがある。実例は数千個から数万個、さらには100万のオーダーまで集める。この方式はどんな入力に対してもそれなりにもっともらしい出力を出せるという意味で頑強である。実例集合は単にデータを集めたものなので収集・追加が容易である。記憶に基づく推論は超並列人工知能(AI)の一つである。