一般に複数のエージェントからなるシステムを作るときに、中央集権型にするか地方分権型にするかという区別がある。中央集権型は、ある一つのエージェントが他のすべてのエージェントを管理するものである。この型は意思統一が容易で固定された作業に対してシステム全体の効率を上げやすいが、環境の変化への対応に柔軟性を欠くといった欠点がある。それに対して地方分権型は、すべてのエージェントが自律的(他のエージェントとは独立に自由に振る舞うこと)に振る舞うものである。この型は意思統一を図るのがむずかしいが、環境の変化に柔軟に対応できる、一部の故障にも対応できるという長所がある。自律分散システムは後者の地方分権型を実現したもので、複数のロボットからなる自律分散ロボットシステムが典型である。