知能をもたない単純な部品の組み合わせによって、知能をもったシステムを構成するときの部品をエージェントと呼ぶ。オブジェクト指向におけるオブジェクトと似た概念であるが、オブジェクトをより賢くしたのがエージェントと考えればよい。「賢い」の具体的な内容は自律性と有目的性である。オブジェクトは受動的で目的をもたない単なる部品であるが、エージェントはそれだけで自律して目的をもっている。エージェント間の自発的な相互作用によってシステム全体の知能が創発されるのである。エージェントは「行為の主体」という意味で用いられるが、「代理人」という意味で用いられることもある。コンピューターのユーザーである人間の代わりに電子メールのやりとりやスケジュール管理を行うソフトウエアのことをインターフェースエージェントと呼ぶ。