核分裂反応では、1個の中性子が吸収されるごとに2~3個の中性子が放出される。そのうち厳密に1個が次の核分裂反応に使われれば、反応は定常的に続く。この状態を臨界と呼ぶ。1個以上の中性子が次の核分裂に使われれば反応は拡大し、1個以下なら収束する。臨界状態(critical state)になるか否かの最大要因は、一定の形状に集まる核分裂性物質の量であり、臨界が持続する量をその形状での臨界量(critical mass)と呼ぶ。核=原子力の技術の基本は、臨界状態の制御にあり、それに失敗した場合に臨界事故(criticality accident)となる。