ウラン濃縮工程で発生するウラン-235濃度が減った方の成分。原子力開発によってアメリカだけで80万t、世界全体では160万tがゴミとして蓄積している。それをアメリカ軍がイラクやユーゴで砲弾にして実戦使用した。戦後、参戦したアメリカ軍の兵士や現地住民に、がん、白血病、免疫不全、極度の慢性疲労などが多発し、それらは湾岸戦争症候群(ガルフ・ウォー・シンドローム Gulf War Syndrome)、バルカン症候群(バルカン・シンドローム Balkan Syndrome)と呼ばれ、劣化ウランとの因果関係が疑われている。劣化ウランを砲弾に利用するメリットは3点ある。(1)ウランは比重が18.9と、鉄(比重7.9)の倍以上重く、貫通力がある。(2)金属ウランは空気中で発火し、火災効果をもたらす。(3)敵に放射線障害を与える。25mm弾1発には147g、120mm戦車砲弾には5.35kgの劣化ウランが含まれる。バンカーバスター(Bunker Buster)など地中貫徹爆弾(earth penetrating bomb)での使用も疑われ、その場合1発当たり数百kgが使われると思われる。一般人が吸入する場合の年摂取限度は11mg、日本では300g以上のウランを取り扱う場合には内閣総理大臣の許可を受ける必要がある。