今日の原子力平和利用は、1953年当時のアメリカ大統領D.D.アイゼンハワーが国連において「Atoms for Peace(平和のための原子力)」なる演説をしたことから始まる。当初核兵器はアメリカが独占していたが、旧ソ連やイギリスが開発に成功すると、平和利用の名目の下、核分裂性物質の国際的な管理を呼びかけた。その趣旨に沿って、57年に国連の関連機関として設立された。一方で、核拡散を防止するための保障措置(safeguards)を実施するとともに、一方で原子力開発を推進するという矛盾した役割を負う。