2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)を受け、日本で稼働していた多くの原子力発電所が運転停止し、最後まで動いていた北海道電力泊発電所3号機も12年5月5日に停止し、日本中のすべての原子力発電所が46年ぶりに停止した。しかし、政府は夏場のピーク電力時に電気が不足するとして、特に原子力比率の高い関西電力で、大飯発電所(大飯原発)3号機、4号機を同年7月に相次いで再稼働させた。しかし、実際の電力使用量が最大に達した同年8月2日でさえ、その使用量は2650万kWで、供給力の2959万kWから差し引いた余力は309万kWもあった。この余力は、再稼働した大飯原発3、4号機の2機合計の最大出力236万kWを大きく上回るもので、大飯原発の再稼働などしなくても電力供給は十分に足りた。続く13年の夏も、電力不足は起こらなかったし、同年9月15日には大飯原発3号機が運転を停止して、日本では再度すべての原発が止まった。結局、2015年8月になって九州電力川内原子力発電所1号機が再稼働を始めたが、それまで、夏場のピーク電力時でも電力不足は起きなかった。