JAXA(宇宙航空研究開発機構)の月探査機。開発時のコードネームはSELENE(セレーネ)。打ち上げ時重量約3トンの大型探査機で、月を南北に回る軌道に入り、1年にわたって14種類のセンサーを使い月表面の地形、元素分布、鉱物組成、重力場などを調べる。2基搭載する子衛星は、月周回軌道で放出され、地球へのデータ中継と月の重力場調査に使用される。2007年9月14日に種子島宇宙センターからH-2Aロケットで打ち上げられ、10月19日に月面から高度100キロの観測軌道に到達した。途中放出した2基の子衛星は「おうな」「おきな」と命名された。その後1年半にわたって月の科学観測を実施。軌道を維持するためのスラスター推進剤残量が少なくなったため、09年6月11日に月面に落下、すべての任務を終了した。