H-2ロケットの後継として、同一能力で価格は半額の85億円以下を目指して、旧NASDA(宇宙開発事業団・現JAXA)が開発したロケット。コストダウンを徹底しており、H-2と異なり低価格の海外製部品も積極的に採用している。2001年以降、15年3月までに28機を打ち上げたが、03年11月に6号機が打ち上げに失敗している。
8号機(06年1月24日打ち上げ)から12号機(07年2月24日打ち上げ)までは、13カ月に5機連続打ち上げを実施。日本が技術的には欧米並みの、年間5機打ち上げを実施できることを証明した。しかし08年度は1機のみの打ち上げ、09、10年度も2機のみだった。打ち上げるべき衛星が存在しないことが運用上の弱点となっている。07年度から民間移管され、運用者がJAXAから三菱重工業になった。07年9月打ち上げの13号機以降は、三菱重工が打ち上げを実施、JAXAは三菱重工の打ち上げサービスを購入する運用形態となっている。09年1月には、初の商業打ち上げとして韓国の多目的衛星「アリラン3号」の打ち上げを受注。同衛星は12年5月18日にH-2Aの21号機で打ち上げられた。商業打ち上げの中核である静止衛星の受注は、H-2A長年の課題だったが、13年9月に、カナダの大手衛星通信事業会社テレサット社から通信衛星「テルスター12V」の打ち上げを受注することに成功した。同衛星は15年11月にH-2A29号機で打ち上げられた。