JAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発する国際宇宙ステーション(ISS)向け無人補給船。愛称が「こうのとり」。6トンの物資を運ぶ能力を持つ。与圧室と宇宙空間に開放されたパレットとを持ち、船内向け物資とステーション外部に取り付ける機器の両方を運ぶことができる。打ち上げにはH-2Bロケットを使用し、ISSのアメリカ側ドッキングポートに接続される。試験用のHTV技術実証機は4.5トンの物資を積んで、2009年9月11日に試験機が打ち上げられ、18日にISSにドッキングした。荷物の積みおろしと破棄資材の積み込みを行った後、10月31日にISSから分離、11月2日に大気圏に再突入して消滅。すべてのミッションを成功裏に終了した。2号機は11年1月22日に、3号機は12年7月21日に、4号機は13年8月4日に打ち上げられ、こちらもすべてのミッションを成功させた。こうのとりには、ISS運用経費の物納による負担という意味がある。日本は当初、試験機を含め年1回の割合で15年度まで7機のこうのとりを打ち上げる計画だった。その後、アメリカがISSの運用を24年まで延長する意向を示し、日本も20年までの延長に同意したことから、こうのとりの運用をどのようにして延長するかが課題となっていた。15年5月、文部科学省は20年までにさらに3機のこうのとり運用を追加し、うち最後の1機は運用コストを半減させた改良型こうのとり(HTV-X)とする方針を発表した。