2005年7月に打ち上げられたすざくに続く、日本の次期X線天文衛星。開発時コードはASTRO-H。旧称NeXT(New exprolation X-ray Telescope)。日本としては初代「はくちょう」から数えて6番目のX線天文衛星である。2基のX線望遠鏡の焦点面に幅広い波長帯のX線を検出するセンサーを搭載し、ブラックホールの周辺の降着円盤(ブラックホールの周りを回転しながら飲み込まれていく円盤状のガスの塊り)と呼ばれる現象や、超新星爆発など高いエネルギーが集中する物理現象を観測することを目指していた。重量2.7トン、全長14メートルもの大きさがあり、実現すれば日本最大の科学衛星であった。2016年2月17日にH-2Aロケットで打ち上げられ、観測を開始したが、同年3月26日に通信が途絶、運用終了となってしまった。事故調査によって、搭載ソフトウエアのバグにより異常な高速回転運動に陥ってしまい、太陽電池パドルが破断して電力を喪失したことが判明した。X線天文学の分野で国際的な役割を果たすことになっていたため、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は代替衛星を製造して2020年に打ち上げることを決定した。