JAXA月・惑星探査プログラムグループ(JAXA/JSPEC)が開発した小型の電力ソーラーセール実証機。ソーラーセールは、太陽光を受けて光の圧力で推力を発生する宇宙推進システム。電力ソーラーセールは、セールの一部分に薄膜太陽電池を装着し、発生電力でイオンエンジンを駆動する。セールとイオンエンジンの推力を併用することで、より効率的な惑星間航行を目指す。イカロスは大型の膜面構造物であるソーラーセールの展開や、向きを変えることによる推力発生方向の制御などを実証する。2010年5月21日に金星探査機「あかつき」と同時にH-2Aロケットで打ち上げられた。その後6月10日にセールの展開に成功。2台のカメラを分離してセール全体を撮影し、展開成功を確認した。7月9日には推力発生を確認、同23日にはセールを使った姿勢制御にも成功した。12月8日には、金星から80万キロのところを通過、当初の予定をすべてクリアした。その後も順調に追加実験を実施した。