NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機。低コスト火星探査機シリーズ「マーズ・スカウト」第2段として2008年9月に選定された(→「アメリカの無人太陽系探査計画」)。ちなみに、第1段は08年に火星の北極に着陸したフェニックス探査機である(→「火星探査」)。メイブンの目的は、火星上層大気の状態の調査である。火星の大気は徐々に宇宙空間に流出しているが、その様子を観測することで、火星誕生から現在に至るまでの大気組成の変化を調べる。火星高層大気の調査は、火星到着に失敗した日本の火星探査機のぞみ(1998年打ち上げ)も狙っていた。メイブンは事実上「のぞみ」のミッションを引き継ぐ探査機と言える。2013年11月18日に、アトラス5ロケットで打ち上げられ、14年9月、火星周回軌道に入り観測を開始。火星のオーロラを観測するなどの成果を挙げている。