JAXA(宇宙航空研究開発機構)が検討中の、再突入カプセルを備えた無人貨物輸送船。国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送に加え、実験成果物や不要になった機材などの持ち帰りも可能にする。同時に地球周回軌道からの再突入、パラシュートによる洋上着水、カプセル回収という一連の運用を通じて、有人宇宙船に必須となる再突入・回収技術を蓄積するという目的も持っている。2010年からJAXA内での検討が始まり、(1)超小型の再突入カプセルをHTVの与圧部から射出する、(2)非与圧部にやや大型の再突入カプセルを搭載する、(3)与圧部をそのまま人が乗れるサイズの大型再突入カプセルと置き換える――の3案が提案された。
しかし、16年以降、日本がISSにおける有人宇宙活動にどのように関わっていくかが不透明な情勢になっているため、15年度予算では予算ゼロとなり、検討作業は凍結された。16年に入り、物資の再回収は行わずにコスト低減型のHTV-Xを開発する方針が決定された。