宇宙基本法に基づき、内閣府のもとに設置されることになっている宇宙専門の官庁。宇宙基本法は施行後1年以内の宇宙開発体制見直しを定めていたが、2008年の施行後、政権交代などにより体制見直しの議論は遅れ、11年春から宇宙開発戦略本部・宇宙開発戦略専門調査会で議論が始まった。宇宙庁設置の大前提は、現在文部科学省が管轄しているJAXA(宇宙航空研究開発機構)の監督権限を、内閣府に移管することだが、権限を削られる文部科学省は徹底的に抵抗。その結果、宇宙庁の設置は当面見送られ、JAXAの監督官庁に文部科学省に加えて、内閣府と経済産業省が入るにとどまった。宇宙庁設置が見送りになった理由としては、宇宙開発戦略本部事務局の主要人事を経済産業省が押さえており、宇宙庁設置が「新たな官庁を設置して統一された宇宙政策を実施する」という当初理念とは大きく異なる、経産省vs文科省の権限をめぐる綱引きとなってしまったことが挙げられる。