スペースX社のイーロン・マスクCEOが2016年9月に発表した、100人乗りの巨大火星有人宇宙船構想。450トンの人と貨物を火星まで運ぶ能力を持つ。第1段「インタープラネタリー・ブースター」は同社が開発中の「ラプター」エンジンを42基、火星まで飛行する宇宙船でもある第2段「インタープラネタリー・スペースシップ」は同エンジンを9基装備する。インタープラネタリー・スペースシップを地球周回軌道に打ち上げると第1段は地球に帰還し、次に「インタープラネタリー・タンカー」という推進剤補給船を打ち上げる。軌道上でタンカーからの推進剤補給を受けたインタープラネタリー・スペースシップは、地球周回軌道を離脱して火星に向かうという仕組み。同構想の意義は、民間企業が火星への移民の意志を示したというところにあり、実現には開発費用の捻出を始めとした様々な課題がある。マスクCEOは22年にはこの構想を実現可能と述べたが、実際には最速でも30年代にずれ込むという観測が一般的である。