マッハ5以上で飛行できる航空機のことで、地球の周回軌道に入る最低速度(第一宇宙速度 秒速7.91キロ)を超えない速度の航空機。一般にはマッハ6~12程度の巡航速度を有する航空機が想定されているが、まだ実現の見通しは立っていない。ただし、アメリカのNASA(アメリカ航空宇宙局)では、将来の極超音速機技術を研究するための、試験機超高速無人機X-43Aによる飛行試験を行っており、2004年11月16日には、マッハ9.6で10秒間の飛行に成功している。
X-43では、大型化してマッハ5~7で飛行するX-43C、再使用を可能にするX-43Bが計画されていたが、経費が膨大になるとして計画は中止され、現在ではスクラムジェットを使用し、マッハ7程度で飛行できるX-51計画に移行した。X-51はボーイング社が製造し、10年5月26日に初飛行して、最大速度マッハ5、最大高度約2万1000メートルを記録している。日本でも、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が極超音速機の研究を行っているが、具体的な作業スケジュール等は未定である(→「低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト」)。一方、15年9月20日には、中国で極超音速機の飛行試験が行われたと報じられた。ただ、これがどのような飛行だったのかは不明で、ほかの航空機に搭載されてミサイルのように空中で切り離し発射された可能性が高く、その場合だと極めて小型の機体ということになる。