エアバスが2006年12月1日に開発を正式にスタートさせた、完全に新設計のワイドボディー双発機。これまでエアバスはワイドボディー機には同じ断面の胴体を使用してきたが、A350XWBでは胴体の設計も変えて太くした。XWBはエクストラ・ワイドボディーの略。3クラス編成で314席を配置し1万5000キロの航続力を持つA350XWB-900を基本に、胴体を短縮して270席とし航続距離を1万5742キロとするA350XWB-800、逆に延長して350席を設けて航続距離を1万5557キロとするA350XWB-1000の3タイプでファミリーを構成する。エンジンは今のところロールスロイス・トレントXWBだけが決定しているが、選択制にすることも検討されている。日本航空は13年10月7日に、A350XWB-900を18機とA350XWB-1000を13機確定発注した。これは、日本航空として初のエアバス製旅客機の発注となる。
A350XWBはボーイング787に直接対抗する機種でもあり、787と同様に複合材料を多用して、機体重量の52%が複合材料になる予定。また主翼端の形状も、翼端をまるめるとともに後方に反り上がらせた形状にして、巡航効率を高める。12年初めから初号機の最終組み立てを開始、13年6月14日に初飛行した。15年1月15日に路線就航を開始した。このA350XWB-900では、航続距離を9700海里(1万8000キロ)に延ばす超長距離型A350XWB-900ULRも開発された(初号機の完成は18年2月28日)。続いて開発されたのが胴体延長型のA350XWB-1000で、16年11月24日に初飛行して、17年11月21日に型式証明を取得した。航空会社への初引き渡しは18年2月20日に行われた。短胴型のA350XWB-800は、この機種の後に開発されたA330neoと客席数が近いことなどから、開発されないことになった。