航空機同士の異常接近や空中衝突を回避するための航空機搭載装備品。互いに質問信号を送るとともにそれに対する回答信号を出すことで、周辺にいる他の航空機を把握できるようにしている。現在のTCASは、自機の周囲半径15ノーティカルマイル(約28キロ)、高度差±9000フィート(約2740メートル)にいる航空機を検出する。航空機が接近を続けた場合、最接近が予想される地点に達する約40~60秒前に接近情報(TA)が発せられて、乗員に接近中の航空機があることを知らせ、さらに接近が続いた場合には最接近地点の約25秒前に回避指示(RA)が発せられる。
RAでは、回避するためのアドバイス(上昇、降下など)も音声により出され、今日では特別な場合を除いて全パイロットがRAの指示に従うよう定められている。日本では、特別な猶予期間が認められた航空機も含めて、20人乗り以上の航空機は2006年までに全機に対してTCASの装備が義務付けられた。