基本的な原理はターボジェット・エンジンと同じだが、排気の運動エネルギーの一部あるいは大部分を用いて、追加されたタービンでファンを駆動する方式のジェット・エンジン。排気ガスの噴流速度は減少するが、ファンを含む全体の空気流量は増加し、エンジン推力が増加する。ファンを通った空気は、エンジンの燃焼に使われるものとそのままファンから吹き出されるものに分けられ、その空気流量の比率をバイパス比という。
高バイパス比エンジンでは、燃費率に優れ、放出排気物も減り、騒音も低下している。初期の高バイパス・エンジンは、バイパス比が4程度であったが、最新エンジンのロールスロイス・トレント1000では11にも達している。高バイパス比エンジンは旅客機や輸送機などの大型機に使われているが、ファン直径が大きくなるため抵抗も大きくなって高速(特に超速)飛行には向かないため、戦闘機などには適していない。戦闘機用のターボファン・エンジンでは、バイパス比が1あるいはそれ以下になっていて、ターボジェットに近い。