ロシアの新しい航空機メーカーであるイルクートが開発を行っている130~230席級ジェット旅客機ファミリー。130~162席で3500~6500キロの航続力を持つMS-21-200、159~198席で3500~4950キロの航続力のMS-21-300、最も大型の192~230席で航続距離をMS-21-300と同じにするMS-21-400の3タイプが計画されている。各タイプは胴体の長さが異なり、またMS-21-400では主翼や尾翼も大型化される。エンジンはアビアドビガテルPD-14ターボファンと、プラット&ホイットニー・ピュアパワーPW1400Gのいずれかを選択することができ、西側の市場も強く意識している。サイドスティック操縦桿や完全なグラス・コクピット、さらにはヘッド・アップ・ディスプレーなど、エアバスやボーイングのジェット旅客機と同等の装備を有している。
開発スケジュールは、まずMS-21の試作機が2016年6月8日にロールアウト(完成)して、17年5月28日に初飛行した。型式証明の取得は、まず19年にロシアの証明を取得して、2020年中期にはヨーロッパの証明も取得する予定とされている。この作業が一段落したらMS-21-300の開発に入り、その後にMS-21-400の作業に着手するという流れである。アエロフロートが50機を発注しているほか、アメリカやロシアのリース会社などから257機を確定受注(ほかにオプション84機)している。