ボーイングが開発した新旅客機ボーイング787は、初号機の公開は予定通り2007年7月8日に行われたが、その後トラブルが相次いで、07年9月に計画されていた初飛行は09年12月15日まで遅れた。遅れの原因は、部品の不足、一部の機体構造の強度不足、ボーイング社従業員のストライキなど様々があったが、新しい製造方式にも関連していると見られる。初飛行の時点で、型式証明の取得と引き渡し開始を10年末までに行うというスケジュールが発表されたが、エンジン自体や水平安定板の製造に問題が生じたこと、飛行試験用機の飛行開始に遅れが出ていたことなどから、10年8月27日に引き渡し開始を11年第1四半期中期に延期すると発表した。
しかし10年11月9日には、飛行試験中の機体で配電盤から出火して緊急着陸するというトラブルが発生した。このため配電盤の設計変更や、システム用ソフトウエアの変更を行うこととなり、それらが完了するまで飛行試験が中断されることとなった。このため引き渡し開始はさらに遅れて、11年9月25日に全日本空輸に対して初納入された。