ティルトローター方式(→「ティルトローター機」)を使ったアメリカの軍用垂直離着陸機。アメリカ海兵隊が輸送用にMV-22Bを、空軍が特殊作戦用にCV-22Bを装備しているほか、アメリカ海軍も艦隊補給輸送用にMV-22Bの改修型CMV-22Bを導入することにしている。初号機は1989年3月19日に初飛行して飛行試験に入ったが、試験中に4件の墜落事故を起こすなどして実用化は大幅に遅れ、アメリカ海兵隊で実用型が訓練を開始したのは2000年3月のことであった。05年5月には空軍でも実用段階に入り、ともに「イラクの自由」作戦とアフガニスタンでの「不朽の自由」作戦に投入されている。
アメリカ海兵隊では輸送用に使用しているヘリコプターCH-46Eとの置き換えが進められていて、これまでに訓練部隊を含めて9個飛行隊が編制されている。沖縄県の普天間海兵航空基地でも12年8月からCH-46E部隊2個飛行隊に替えて配備が開始された(→「オスプレイ沖縄配備」)。V-22は垂直着陸も短距離離陸着陸も可能で、4.5トンを搭載した状態で垂直離陸ならば約650キロの、短距離離陸ならば約1760キロの航続力を有する。防衛省も陸上自衛隊の水陸機動団用の輸送機としてティルトローター機の導入を検討し、オスプレイの導入を決めた。陸上自衛隊向けのV-22は、17年中に引き渡される予定だったが、日本側の準備が整わなかったことで18年からの引き渡し開始となっている。配備は、新たに設置される佐賀駐屯地の予定だが、地元との調整が付いておらず一時的に暫定基地に配備されることになりそうだ。